インプラント治療

インプラント治療は、歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、周囲の歯に負担をかけることなく、自然な歯に近い見た目と噛み心地を取り戻すことを目指す治療法です。

歯を失われた場合、これまでの治療法であるブリッジや入れ歯では、健康な歯を削る必要があったり、違和感があったり、十分に噛めないといったお悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。

インプラント治療により、しっかりと噛めるようになり、食事の楽しさを再び感じていただけるだけでなく、美しい口元を取り戻すことも期待できます。

なお、インプラント治療をご検討の際には、全身疾患や口腔内の状態によっては、事前に他の治療が必要となる場合がありますので、まずはご相談ください。

治療項目

  • インプラント治療

  • 骨および周囲軟組織の造成術

  • 上顎洞挙上術

  • メインテナンスとリカバリー

インプラント治療の流れ

インプラント治療は小規模ですが外科手術を行います。
当医院では患者さんが安心して手術を受けていただけるようオペ室、器具の滅菌・消毒を徹底し、清潔な環境でインプラント手術を行っております。

インプラント手術は、通常1時間程度で終了し入院は必要ありません。その日からお食事も出来ます。

  • 1

    初診来院

    必要に応じて応急処置を行います。

  • 2

    初診カウンセリング

    問診表にご記入をいただき、内容に沿ってお話をお伺いします。

  • 3

    検査

    レントゲン・口腔写真・歯周検査でお口の状態を検査し、担当医による診断を行います。

  • 4

    治療計画カウンセリング

    検査結果をご説明します。必要に応じて歯周病(予防)治療を行います。

  • 5

    CT撮影にて精密診断

    インプラント治療が決定した場合、CT撮影でさらに精密な診断をします。

  • 6

    同意書記入

    治療に関する事項を同意書に沿ってご説明いたします。同時に治療費のお支払いについても確認いたします。埋入日程の予約をお取りします。

  • 7

    インプラント手術

    局所麻酔のもと、インプラントを埋入する手術を行います。インプラントの種類は、骨の質や量、治療部位によって適切なものを選択します。

  • 8

    アバットメント・人工歯の装着

    インプラントと骨が結合した後に、アバットメントと呼ばれる土台を装着します。アバットメントとは、インプラントと人工歯(被せ物)をつなぐ部品です。 アバットメントには様々な種類があり、個々の症例に適したものを選択します。 必要があれば仮歯を装着して見た目や使用感を確認し、問題なければ最終的な人工歯を装着します。

  • 9

    治療後のメインテナンスと定期検診

    インプラント治療は人工歯が装着されたら終わりというわけではありません。インプラントを健康な状態で長持ちさせるためには、インプラントおよび残存歯を清潔に保ち、定期的に検診を受け、メンテナンスを行う必要があります。 インプラント治療が成功しても、治療後に口の中の衛生管理ができていなければ、インプラントは感染してインプラント周囲炎になることがあります。また定期的に咬み合わせのチェックを行い、必要があれば調整を行います。

治療後のメインテナンス

インプラント治療の成功と長期的な維持には、治療後の適切なメインテナンスが不可欠です。患者さんご自身による日々のケアと、歯科医院での定期的なチェックを継続していくことが重要です。

インプラントを長持ちさせるために正しいブラッシングと口腔ケアを指導いたします。また口腔の状態を健康に保つため個々の患者さんに応じた期間で定期的な検診をご案内いたします。

メインテナンスを怠ると

インプラント周囲の清掃が不十分な場合、歯周病に似た「インプラント周囲炎」を引き起こす可能性があります。インプラント周囲炎が進行すると、歯ぐきの腫れや出血、膿が出るといった症状が現れ、最終的にはインプラントを支える骨が溶けてしまい、インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。

治療についての説明と同意

当医院では治療にあたり患者さんまたは保護者の方に対して、お口の状況や選択肢について易しい表現で分かりやすく伝えるようにいたします。

  • 症状、病状、考えられる原因、予測される今後の推移、検査・治療の内容や方法等について説明いたします。
  • 検査、治療、処置の目的、内容について、実施した場合としない場合の危険・得失、代替の方法の有無について説明いたします。
  • 治療にかかる費用、期間について十分に説明し、内容についてご理解いただき判断をするのに必要な時間をかけていただき同意を得ます。
  • 治療について説明と選択肢の提示を行い患者さんまたは保護者の方の自由意志による同意を得たうえで治療を開始します。

費用

インプラント治療

インプラント埋入手術/

220,000円

上部構造(被せ物)/

220,000円

補綴材質は耐久性と審美性を考慮し前歯はセラミック、臼歯はハイブリットまたは白金加金を提案

オプション

GBR(骨誘導再生法)/

55,000円~110,000円

インプラントを植立・固定するために十分な骨が無い場合に行う骨造成(骨を作る)手術

インプラントガイド/

4,4000円~55,000円

プロビジョナルレストレーション(暫間修復物)/

原則は補綴代金に含む、状況により55,000円~110,000円

  • インプラント埋入・上部構造は1本(歯)の費用です。

治療期間・通院回数の目安

約6ヶ月間、10回※標準的な治療の期間と通院回数の目安となります。患者さんの状況や条件、または必要な処置等によって治療期間や通院回数は変動する場合があります。

リスク・副作用・注意点

インプラントには以下のような治療に伴う併発症のリスクがあります。当医院は患者さんに治療に関して説明を行い、十分ご理解いただいた上で治療を始めたいと考えています。

手術に伴うもの

インプラント体を埋入する顎骨には隣在する歯や歯根をはじめ、神経や血管、鼻腔や上顎洞などがあり、手術の際にこれらを損傷する可能性があります。その結果、出血、神経麻痺、感染などが起こることがあります。レントゲンやCT撮影を行い、顎骨の形態を詳細に診査するため、このような問題が起こることは少ないですが、本治療を受けた場合、次のような併発症やその他の不利益が生じることがあります。

  1. 疼痛、腫脹、発熱
    手術後2~3日をピークに1週間程度、頬部や顎下部に痛みや腫れが出ることあります。手術後当日は、出血や痛みが増強する可能性があるため、激しい運動、飲酒、夜ふかし、長風呂は避けてください。手術後1~2週間は、創部保護のため手術部位への義歯装着は必要により控えていただきます。それに伴い、食事内容の制限や審美性の低下が考えられます。また、手術後に発熱することがあります。
  2. 縫合不全および手術部位の感染
    創部汚染や歯性感染症(歯周病、根尖性歯周炎)などが原因で、歯肉縫合部の治癒不全や手術部位が感染する可能性があります。感染が生じた場合、洗浄処置、抗菌薬の変更・追加、移植骨の掻爬、埋入したインプラント体の抜去と再手術を行う場合があります。また、感染予防のため、手術に関わる服薬、外来通院時期を、手術内容や経過に合わせて担当医から説明いたします。
  3. 出血
    インプラント手術中、もしくは術後に創部より出血を認めることがあります。圧迫止血法や凝固止血法、結紮止血法などで適切に対応します。なお、手術当日、翌日は微量の出血が続く場合がありますが、通常問題はありません。帰宅後にご心配なことがあればご連絡ください。
  4. 口角炎
    手術の際、視野の確保と手術器具から軟組織を保護するために口唇・口角を伸展させる必要があります。そのため、口唇・口角の炎症や出血が発現する可能性があります。治癒には平均1~2週間かかります。
  5. 内出血斑
    手術した付近の皮膚や粘膜に内出血斑を生じることがあります。治癒には平均2~3週間かかります。
  6. 知覚異常
    手術に伴う侵襲によって下歯槽神経、オトガイ神経の知覚異常(手術をした側半分の下唇から下顎部にかけての感覚異常)や舌神経の知覚異常(手術をした側半分の舌の感覚異常)が生じる可能性があります。また、大きな神経が通らない部位でも術後に感覚異常が生じる場合があります。知覚異常、感覚異常が生じた場合、多くは時間の経過とともに徐々に回復していきます。また、回復を早める薬物治療を行うことがあります。しかし、神経の損傷程度によっては術前の状態まで回復しない可能性もあります。なお、異常感覚が痛みとなり長期に持続する場合には、ペインクリニックなどで専門的治療が必要になる場合があります。
  7. 上顎洞炎(上顎の場合)
    上顎洞は鼻腔とつながっている副鼻腔の1つで、インプラント体の埋入部位によっては鼻出血や副鼻腔炎症状が生じることがあります。その場合、洗浄処置や抗菌薬の内服、まれに、移植材料の除去、埋入したインプラント体の抜去、感染部位の掻爬、再手術や耳鼻咽喉科での治療を行うことがあります。
  8. インプラント迷入
    インプラント体が上顎洞、骨髄内、骨外に迷入する可能性があります。その場合、当日、あるいは、後日、摘出します。
  9. 隣在歯への影響
    インプラント体埋入部位の隣在歯に影響を及ぼし(動揺、疼痛、知覚過敏など)、治療や抜歯が必要になることがあります。
  10. 異物誤飲・誤嚥
    手術中に小器具を誤飲・誤嚥する可能性があります。その場合、レントゲンで位置を確認し、必要に応じて内視鏡下で異物摘出を行うことがあります。
  11. アレルギー
    局所麻酔薬や処方薬、チタン(極めて稀)でアレルギー反応が惹起されることがあります。その場合、ステロイドや抗ヒスタミン薬などの薬物療法を行います。症状が重篤な場合には専門の診療科と連携を取りながら対応します。術前に上記アレルギーの可能性がある方はお申し出ください。必要に応じ、術前にアレルギー検査を実施します。
  12. インプラント体生着不良
    インプラント体が骨に生着する確率は世界的に約97%と言われておりますが,まれにインプラント体が顎骨に生着せず脱落してしまう場合があります。原因は様々ですが、喫煙、コントロール不良の糖尿病、歯ぎしり癖などが挙げられています。とくに、喫煙者は禁煙者と比べ、インプラント体が生着しない確率が2~9倍に増加しますので禁煙をお願いしています。

上部構造や長期経過に関わるもの

インプラント体を支える骨や歯茎などの組織は、細菌、咬合圧などの影響を受けるため、インプラントで噛めるようになった後に、以下に示すようなさまざまな要因により、インプラントの上部構造が割れたり、インプラント周囲に炎症を起こす可能性があります。

  1. 患者さん自身にインプラントが合わない
    不良な口腔内の衛生状態、チタンアレルギー、骨質の低下、コントロール不良な糖尿病、喫煙、心身医学的障害など
  2. インプラント体への過剰負担
    歯ぎしりや強力な噛合力による上部構造の磨滅や破損
  3. インプラント周囲の清掃不良
    インプラントの上部構造を装着後、インプラントとその周囲組織を長期に安定して機能させるため、歯周病の予防と同様に、常日頃からの丁寧な清掃と、定期的なメインテナンスが重要になります。これらを怠ると、インプラント周囲炎となり、インプラントの除去に至る可能性もあります。

併発症や副作用が発生した場合、あるいは、それらのお悩みでご来院された場合、望ましい治療方針をご提案し、それに応じた処置を行います。なお、当該処置の治療費は、基本的には自費にて、一部保険にて患者さんのご負担となりますので、あらかじめご了承ください。

内容

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